菜の花と、ムーミン列車の小さな旅。【前編】

桜の蕾がふくふくとして、ちらりほらりとほころびはじめると、
もう、気持ちがそわそわとして、居てもたってもいられず、
どこかへ出かけたくなります。

関東の桜は、まだまだ二分咲き、三分咲き程度とはいえ、
桜の季節は、不安定なお天気もつきもの。
...そんなわけで、お天気予報を頼りに晴れ間をさがして、
かねてより訪れてみたかった、いすみ鉄道のムーミン列車に乗りながら
菜の花と桜のコントラストを眺めに、小さな旅に出かけました。

...やっぱり春は南房総が愉しいのです。
そして、もちろん今回も、ぐりも一緒です。






今回の旅は、御宿から大原へ、そしてムーミン列車に乗って
国吉駅で下車...というコースです。

昼前に房総に到着し、まずは腹ごしらえから...ということで、
むかった先は御宿のお蕎麦屋さん、“幸七” です。
御宿の里山で農家を改築し、手打ち蕎麦のお店とギャラリーを併設するこちらのお店。
自ら蕎麦栽培にも取り組んでおられ、そば粉は毎日ゆっくり製粉するこだわりよう。



上品なお蕎麦に舌鼓


店内は囲炉裏もあり、情緒たっぷり。
挿絵のついた手描きのお品書きも、またいい雰囲気です。

私は、迷わず“もり好みそば” を。
お蕎麦と薬味のほかに、とろろや茸、味噌だれのついた蒟蒻に
巻き湯葉の揚げたもの、海苔などがついて盛りだくさんで愉しいのです。






こちらはあたたかい “かけ好みそば”。
ほわん、と立ちのぼる湯気を見ていると、そそられます...。
この日は、お花見シーズンだということもあってか、お箸置きも桜のかたち。
併設しているギャラリーでは、この日から陶器展が開催されていましたが、
お店でつかう器にも、こだわりがあるようで愉しかったです。






蕎麦をつかったおつまみなどもいろいろありました。
本当は、蕎麦コロッケが食べたかったのですが、この日は終了で、
お店の方におすすめしていただき、おぼろ揚げをいただきました。
こちらも、さく、ふわ、とした食感で美味しかったです。



三度笠のような最中アイスがかわいい　/　後ろ姿も、ほらね


お蕎麦のあとには、しっかりと甘いものもいただいて大満足。
こちらも、そば葛餅と、そばアイス最中...と、蕎麦尽くし。
アイスクリームにトッピングされた蕎麦の実がまた香ばしく...。
盛りつけも可愛くて、食べてしまうのがもったいないほどでした。

食後は、併設のギャラリーで展示をながめ、
父は、自分用のマグカップを購入し、ご満悦の様子。





大原へむかって車を走らせると、
道の脇には、どこまでも菜の花をながめることができました。
一面黄色く咲き誇り、まさに房総の春です。







途中、つくしが一面に生えている場所をみつけ、
思わず車を降りて、わあっと感嘆の声をあげたあと、
暫し、黙々とつくし刈りがはじまりました...。笑
ぐりも、見たことのない自然に、きょろきょろ。

この日、摘んだつくしは、大切に持ち帰り、
その日のうちにはかまをとって、よく洗ってゆがき、
翌日、おいしい佃煮となりました。そのお話はまたいつか...。




海へ行くつもりじゃなかった...という顔


無事に大原に到着すると、
まずは「麦香村」(バッカソン)でパンを調達です。
こちらのパン屋さんは、いつかの「岬カフェ」のオーナーさんの妹さんのお店で、
ちょうど先日、そちらへ訪れたばかりの私たちは、店内で話もはずみ、
おいしそうなパンを選びながら、愉しいひとときを過ごしました。
...写真がないのが残念ですが、赤いテントが目印の美味しいパン屋さんです。

このあと、いよいよ大原駅からムーミン列車に乗るわけですが、
列車はほぼ1時間に1本しか出ていないので、
しばらく、大原の海岸をながめたり、お散歩したりして過ごすことに...。

天気予報では、ぴかぴかの晴れマークが出ていたものの、
この日は、時々薄日はさすものの、まさに花曇りという空模様で、
ざぶんと寄せる波をながめていても、ちょっぴり肌寒く、
海風に煽られて、ぐりもこんな表情です...。笑

それでも、大きな海をながめていると、房総に来たという実感が湧いて
日常から少し離れた、心地のよい解放感に包まれます。

...そんなわけで、次はいよいよ、いすみ鉄道ムーミン列車の旅です。
このつづきは、また次回ご紹介しますね。






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