ことしも、外苑の銀杏並木

ガラスに映りこむ、金色の銀杏の木々がきれい


ここのところ毎年、12月初旬には、外苑の銀杏並木を訪れています。
お昼前に行って「セラン」でランチを食べて、そのあとゆっくりお散歩
...というのが、おきまりのコースです。

この時期のセランのテラス席は、銀杏並木の眺めが美しく、最高です。
店内であたたかくお食事をするのも、もちろん素敵なのですが、
テラスで、外のストーブにあたたまりつつ、用意してくれる膝掛けをつかって
外の爽やかな空気とともに食事ができるのも、この時期がきっとギリギリ。
このあとは、だんだん寒さも厳しくなってくるので、
この時期の貴重な小春日和、テラス席で黄金色の銀杏を眺めながら
おいしいホットワインとお食事で、からだをあたためるのが格別で、
あえての、テラス席です。

とんがってます

外苑前で降りて、ほどなく行くとやがて眼前に広がる銀杏の木々。
黄金色にこんもりとして、空高くどこまでものびる、とんがり銀杏の木々は圧巻です。
毎年眺めているはずなのに、ここに来るたびに、やっぱり感激してしまいます。

近所の、ひっそりとした銀杏の森も個人的には大好きで、素敵ですが、
外苑の銀杏並木はダイナミックで、素晴らしいです。

葉の色は、こんな感じ

銀杏の葉は、黄色いところとグリーンのところが、まぜまぜな感じで、
まだすこしのあいだ、愉しめるのかな...といった雰囲気でしたが(12/1現在)
葉の大きさは、やっぱりことしの銀杏は、やや小さいのかなぁ...という印象でした。

オープン前の静けさ。でも実は、けっこうお客さんが並んで待ってます

最高のロケーションですね。
これで、お食事もおいしいので、言うことなしです。
ランチは、プリフィクススタイルなので、えらぶのにまた時間がかかるのです(笑)
まずは、寒さ対策のために(？)、甘くてスパイシーなホットワインをオーダー。
ひと口飲むと、ほかほかとからだの芯からあたたまるのです。

ホットワインと、自家製フォカッチャ

この日は前菜に、

・フランス産フオアグラのこんがりソテー、栗かぼちゃのブリュレ添え
・栗粉のクレープで巻いた茸とリコッタチーズのグラタン　冬野菜のスープと共に

を選びました。そして、パスタ料理に、

・自家製スモークのピートロと栃木県産麿宝卵のカルボナーラ　トリュフの香り
・香り高いトリュフと豚肩ロース肉のコンフィ、茸のスパゲッティ

...を選びました。ふぅ、長いメニューですね。
メニューの名称がやたら長いものに惹かれるのって、私だけでしょうか。
どこどこ産のなになにが、こんがりとか、ふんわり...とか書かれていると、
それだけで吸い寄せられてしまうのです。単純です。
そんなわけで、昔から、キハチマジックには、まんまとハマりまくりです(笑)

そういえば、かつて村上春樹氏が、アンアンの連載エッセイで、
いまは無き、青山のキハチのことなどを綴っておられましたが、
「あぁ、あそこは私も大好きだった...」
と、遠い目で昔を懐かしむのでした。あの頃のあの界隈、大好きでした。

フォアグラとブリュレの、素敵マリアージュ

さてさて、前菜が運ばれてきました。
...もう、フォアグラ。最高でした!
ひと口頬張ってから、暫し言葉が出ませんでした。
バルサミコで風味づけしたフォアグラ。そして、その下には
あまーい栗かぼちゃの、あつあつのブリュレが...。
メインディッシュとスイーツを一緒にいただいているような贅沢感。
これが前菜であることを、忘れてしまう味わいに、私はすでに大満足。
これから行く予定、という方には、ぜひぜひおすすめしたい1皿です。
(フォアグラが素敵すぎて、もうひとつの前菜については、印象が薄め...という
かわいそうなことに。説明も割愛させていただきました)

しばしばテーブルに、銀杏の葉が添えてあるようにうつっていますが、
これは、決してやらせ的なスタイリングではなく、
もう、頭上から容赦なく、ひっきりなしに、バサバサと降ってくるのです。
この臨場感も、テラスならではの味わいです。

間違いさがしのようなパスタ2種


さらに、メインのパスタ料理です。
前菜で、すでに満足しきってしまった私は、前菜とパスタの狭間に
しだいにお腹がいっぱいになってしまったのです。
そんなわけで、パスタ料理は、ふた口、3口しか食べられなかったのですが、
とっても、おいしかったです。
...ただ、どちらかひとつは、色合いを考慮して、トマトのパスタにすればよかった...
と、いまさらながら、少し後悔。あぁ、残してしまってごめんなさい。

別腹がきた


それでも、デザートは別腹。
ミルク風味の濃厚なアイスクリームと、小さなティラミスです。
サイズがちょうどよかったので、ぺろりといただきました。
ティラミスは、苦いコーヒーとあいますね。大好きなケーキのひとつです。

デザートまで、時間をかけて、ゆっくり愉しめました。
お昼からこんな贅沢な気持ちで過ごすことって、そうそうないので、幸せです。



このあとは、腹ごなしにお散歩です。
銀杏を眺めながらだと、どこまでも歩いて行けそうです。
長く続く銀杏並木には、絵を描くひとも多くみられました。
皆さん、さまざまなタッチで、お上手に描いていらして、
後ろからそうっと覗き見ては愉しませていただきました。

ひっそりとした銀杏の森とはうってかわって、都会の銀杏並木。
こちらも、洗練された雰囲気で、やっぱり素敵でした。
そして、きっと来年も訪れるんだろうなぁ...。